命あるもの
『人は生まれおちた瞬間から死に向かって歩いてる』
…なーんて、そんな悲しいお話しちゃいけません。
人だけじゃありません。物にも命があります。
ついについに壊れてしまいました。
…我が山吹の頭脳ワーク、レジスター。20年だよ、20年(本当)。まぁ、正確にいくと、19年と六ヶ月。
本当にあなたひとつでよく頑張りました。
だってね、人間だってすねたり、怠けたくなったり風邪引いたり、周りに迷惑かけながら生きてるのに、レジ雄はよく頑張った…。
半年前、記録サイドのローラが回転せず、アフターケア会社いわく『あー?この製品の部品はもうないですから…買い替えですね…』少しでいいから寂しい顔や悲しい顔してくれたらいいのに。
レジ雄は頑張って今まで文句一ついわず病気一つせず
我が山吹の一仲間としてよく働いてくれました。
でも、今日とうとう別れの日がやってきた。
『ガアガア』今までにない苦しそうな音をたてて、
『レジ雄、大丈夫?苦しいの?』て話しかけると、
ん???電源が切れた?
何度触っても点灯しない。
『よく頑張ってくれて本当に有難う…』
今日からしばらく、ないてなんていられない、レシートはどうする?日計の処理は?
レジ雄…あなたがいなくなって…、
私はしばらく大変だけど、
今度は新しくきたレジ子に愛情を託して頑張っていくから。