あれから…
新宿パークハイアットにて救急車を呼んだ。
ホテルの最上階の部屋に入って数分後の出来事だった。
一瞬何が起きたかわからないまま
胸をおさえ苦しがるツレアイを支えて
エレベーターでフロントまで降りた。
苦しがる彼をみながら、
ああ私はこの場所で未亡人になるんだ。
全身から力が抜けていく。
東京の寒い空の下、
真っ白な頭と不安の気持ちのまま
数分後に着いた救急車に乗り込んだのだった。
あれから十二年が過ぎた…
50を過ぎてもなお今も
そんな事忘れたかのように夜遅くまで元気に…
あれから薬と仲良くしているが、
突然不意にやってきた震災は
多くの愛する人達を奪っていった。
生かされた命を大切にしていかなければ…
所でホテルへ帰るまで一緒にいた知人は
『清光さん、調子悪いんじゃない、
顔色がおかしいようだけど』と言った。
私はちっとも気付かなかった。
今日も一日山吹をお引き立て下さり
誠に有難うございます。
明日もよい一日を